淑女の休日
淑女の休日
2006年3月10日 文春文庫 定価667円+税
ISBN4-16-720312-X
女性に人気のシティリゾートホテル。そこにはスパ、アロマ、アフタヌーンティ…
と、女性なら誰でもうっとりとなる癒しの空間が広がっている。
が、私立探偵・美生の親友・ゆう子がコンシェルジェを務めるホテルに「幽霊が出る」という噂が広まりはじめた──。
調査を開始する美生。しかし、その矢先、幽霊の目撃者である美津子が殺されてしまう。
シティリゾートホテルの愛用者だった美津子。
そして、ホテルからは、白無垢姿の美津子の古い写真が発見される。
美津子は生涯、独身だった……。
そして、これが最初の殺人であった。
女性が胸のうちに秘める哀しみや切なさを鮮やかに切りとった極上のミステリーです。

単行本のあとがきで、柴田先生が、なぜホテルという場所がこんなにも心地よいかを書かれています。
情報化社会のなかで、いつの間にかささくれて、乾いてヒビ割れてしまった私たちの心。
「それが代金を払って得られるサービスに過ぎないとしても、誰かに大切にされる快感を求めて人はホテルに集まるのではないか」(あとがきより)
私は大きく大きくうなづいてしまいました。誰でもちょっと思い当たることがあるのでは?
そんな切ない話に、愉快なスパイスを与えてくれるのが、主人公の美生の憎めないキャラクター。
エリートの敏腕刑事とのやりとりに思わず吹きだしてしまいます。
西上心太さんの解説もぜひお読みください。(文責・担当)
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