残響
残響
2005年2月1日 新潮社(新潮文庫) 定価590円+税
ISBN4-10-139622-1
ヤクザの元夫・石神の家庭内暴力から逃れ、ジャズ・シンガーとして生きる杏子。だが、彼女には、死者の残留思念と共鳴できるという忌まわしい能力がまつわりつく。過去からの゛声"が、彼女にはまるで「残響」のように聞こえるのだった。杏子の力を捜査に利用したい警察は、平穏に暮らしていた杏子の前に、ヤクザと取引をしてまであの石神を送り込んできた。彼女の力は、なぜか石神が一緒の時にだけ発揮されるのだった。
 超常の力を持つ主人公・杏子ですが、物語の主軸は「力」そのものより、むしろ力を持つ人間の苦しみや周囲の思惑です。そして、そんな苦しみや思惑と戦う主人公の姿をぜひご覧下さい。ミステリーとしてそのストーリーにぐいぐい引き込まれてしまうのはもちろんのこと、一人の女性が自分の本当の人生を獲得してゆく物語を心ゆくまでお楽しみいただけます。どんな結末になるか、まさかここで申せるはずもありませんが、素晴らしい読後感を味わっていただけるものと保証いたします。小社では「時間の底を巡る連作ミステリーの傑作」とご案内しております。解説は、昨年の推理作家協会賞(評論部門)を受賞された千街晶之さん。こちらも必読の名解説です。
(文責:担当M)  
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