残響
2001年11月30日初版 新潮社 本体価格1500円+税
ISBN4-10-602653-8
 夫の暴力によって心に深い傷を負い立ち直ろうと必死に生きる杏子。
彼女には、夫からの暴力や虐待を受けた時だけ発揮できる不思議な能力があった。それは、過去の「声」を「聞く」力。
その力のために事件にまきこまれ、それを解決することでひとつずつ心の傷を克服していく杏子。
彼女の苦悩、葛藤、戦いを通じてひとりの女性が生き抜こうと立ち上がる姿をミステリとからめて描きました。
彼女がかかわった事件ひとつひとつの人間模様と合わせて、杏子の心の成長を
読み進んでください。
連作短編集です。

 ドメスティックバイオレンスによって、身ごもっていた子供さえもなくすという不幸から、ようやく逃れた杏子に授けられたのは、死者が残した最期の声を聞き取ってしまうという「特殊な力」だった……。杏子の抱える心の闇が、死者の残留死念と共鳴したとき、時間の底に眠っていた冷たい真実が浮かび上がる!――
連作ミステリーとしても秀逸ですが、いくつもの不幸を背負いながらも、なんとか強くあろうとする主人公.杏子の生き方には、誰もが共感を覚えるはず。明日の自分は、今日より進歩していたい!と痛切に感じられる読後感のよさを、ぜひ味わってみてください。(担当:新潮社H.G)
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